2023年3月24日
職業奉仕フォーラム報告
職業奉仕委員長 山内一正
今年度の職業奉仕フォーラムを去る3月24日(金)に開催いたしました。新型コロナウイルス感染が少し落ち着きをみせ、感染予防緩和の動きはあるものの、対策には留意して行いました。また、今年度はプログラムを2部に分けて、より多くの方々に参加していただけるよう配慮いたしましたところ、30名を超える参加者にお集まりいただき、開催させていただきました。
天候の悪い日が続き、予報では雨が心配されましたが、一足早く満開となった桜とともに、春の心地よい晴れた空気のもと、当日を迎えることが出来ました。
プログラム1では、表千家家元不審菴を見学させていただきました。お初釜に参加している会員や、ご関係の会員は、たびたび拝見している方も多いと思いますが、お初釜のご案内をいただいても、お茶事の経験がないため敷居が高い、と思っている会員も多く、今回の職業奉仕フォーラムを良き機会としていただけたかと思います。
二班に分かれて不審菴の中をご案内していただき、その後お茶席に入らせていただきました。
門を入ると一気に400年余りの歴史の中に誘われます。
門をくぐると、松風楼(しょうふうろう)のお部屋。内玄関から本玄関を通り、無一物(むいちぶつ)、七畳敷、そして九畳敷の各茶室へ。九畳敷に隣接する残月亭(ざんげつてい)。秀吉が建てた聚楽第内の利休屋敷の一部である残月亭から、月の眺めを想像しつつ路地を見る。そして、利休居士の座像がまつられている利休四畳半の粗堂へ。
利休四畳半の粗堂は、利休の年忌や皆伝相伝の茶事など、特別な意義ある茶事に使われるそうです。
その後、新席にてお茶席に入らせていただきました。
表千家様より「不審菴へは腕時計、指輪等装飾は外してお入りください。」とアナウンスがありました。その時はただ単に大切な器を傷つけないためのマナーかと思っておりましたが、実際に不審菴を見学させていただき、またお茶席に入らせていただきますと、時計を外すのは、雑踏を気にすることなくゆっくりと時を楽しむこと、また装飾品を外すのは飾らない自分を見つめること、という意味があったのかと奥深さを感じました。
その後、場所を表千家会館六階会議室に移し、表千家不審菴文庫主席研究員の原田茂弘様より「表千家の歴史とわび茶の心」と題してご講演をいただきました。表千家の歴史のお話の中に、「不審菴には『日本には必ず四季が訪れる。自然の偉大さ、いぶかしさに尊敬の念を持つ。』という思いが込められている。」とのお話がありました。また、「わび茶の心として、亭主と客の心の交わり、心を尽くしたもてなしの中に人と人との心の交わりがある。心を尽くすことを表す『一期一会』という言葉は、『一生涯で一度の出会い』というよりは、本来は『人生は一度きり、相手に対して精一杯の誠意を尽くす』という意味合いがある。」とのお話を頂きました。茶の心をとおして職業奉仕の根幹に触れさせていただけたと思います。格別のご配慮賜りました三木町会員はじめ、打ち合わせから当日の進行含め、心温まるご配慮を賜りました表千家の多くの皆様に心より感謝申し上げます。
その後、プログラム2として、会場を京料理萬重に移し、三代目主人田村圭吾様より「京料理を通して考える心」と題してご講演を賜りました。
田村様は三代目として家業に従事する傍ら、日本及び世界食文化の継承や食育を推進し、「日本料理アカデミー」の設立に参加され、地域食育副委員長として全国の小中校生、大学生の指導を続けておられるとのことでした。そして、文化庁から「文化交流大使」の使命を受けて、世界6か国に派遣された経験から、それぞれの国でのエピソードをご披露いただきました。
また、世界が注目する京料理(日本料理)の秘密や、今考えなければならない自国文化について、ユーモアを交えお話しいただきました。懇親会前の短い時間に、盛り沢山のお話をいただき、食文化に対する熱き想いと、日本人の心を学ばせていただきました。そんな思いの込められた美味しいお料理を、これまた美味しいお酒とともに、時間を忘れて楽しくいただきました。
両プログラムを通して、表千家不審菴様、京料理萬重様が、脈々と受け継がれる伝統を生業とし、真っ向から受け止め、時代とともに変化する中で後世に良きものを残す努力をされていることを感じました。そこには、形は違えども「真実かどうか、みんなに公平か、好意と友情深めるか、みんなのためになるかどうか」この四つのテストが生かされていると感じました。
このフォーラムを開催するにあたり、お力を賜りました関係各位、職業奉仕委員会の皆様、またご参加いただきました皆々様に心より感謝申し上げますとともに、何か心に残るものを感じていただけましたら幸いです。
2023年2月19日
吉田山植樹
社会奉仕委員長 内畑一
吉田山植樹を行った2月19日は、週間天気予報では雨でした。
吉田山植樹は、私共京都東ロータリークラブにとっては永年の継続事業であります。吉田神社講社の方々、里山再生の会、地域住民の皆さん、大学生、ガールスカウト、ボーイスカウト、薪ストーブ愛好会と様々なジャンルの方が奉仕に携わってくれております。半世紀近く入山が認められず、ジャングル化してしまった吉田山を「元のように市民が楽しく集える開かれたお山としよう」、「地域に根ざした里山にしよう」と、この活動は続けられております。当然の事でありますが、細い木でも何年かすると驚くほど太く大きな樹木になります。枝葉が太陽の光を遮断し、下草も生えない荒地となります。昼間でも薄暗く、通学路や生活道として使用する市民にとっても決して快適安全とは言えず、過去にも様々な事件、事故も発生していると聞いております。心無い者による不法投棄も見受けられました。
しかし、人々の努力が実を結び、その成果は確実に上がってきております。ウッソウとしていた道に光が入り、人が入ることを拒んでいたいばらの薮も、それこそ手を血だらけにしながら除かれていきました。吉田山に自生している木々を守りつつ新たに桜や紅葉を植えていき、今年度分も含めると140本になりました。残念ながらその内何本かは枯れてしまいましたが、大きく育ち花を咲かせる木々、美しい紅葉を見せてくれる木々も増えてきました。現在では多くの人々に癒しを与えてくれております。普段の奉仕活動内容は主に、雑木の処理ですが、その中にネズミモチと呼ばれるモクセイ科の樹木で高さ8m位に成育する木があります。紫黒色の果実がネズミの糞を連想させるところから、その名が来たと言われていますが、細い枝は分別され、トラックの荷台へ、そして岡崎の動物園へと運ばれ、主に象やキリンに与えられます。動物園北側の通用門が開けられ、専用の置き場へ置くのですが、園長自らが作業を手伝って下さる事もあります。ある意味、無農薬で新鮮な吉田山の木々は、ここでもお役に立っているのです。まさにSDG‘Sそのものです。
なんて感心している場合ではありません。本題に入るのを忘れておりました。
冒頭でも申しました、植樹が行われた2月19日は天気予報通りの雨となりました。本来ですと中止になるのですが、次回開催迄は待てないので、午後から天候が回復するであろうという期待のもと、強行開催となりました。前週の作業で植樹する予定場所に大きな穴が開けられています。番号の付いている苗木を運びます。これが中々に重いのです。さすがに雨中ぬかるんで滑るので要注意です。でもこの日(この天候で参加されるのですから…)のメンバーは筋金入りです。事前に配布された植樹の手引きを参考に、段取りよく熟していきます。植えられた苗木に丁寧に優しく麻布を時計回りに巻いて下さいと言われました。「何故時計回り?」と疑問が湧きましたが、ややこしい天候の中、ややこしい質問をすればもっとややこしくなると思い、黙々と作業を進めました。植えた苗木の周りに土手を作り、雨水がたまりやすくする事も教えられました。ちなみに麻布を巻く理由は、幼木を乾燥と寒気から守る為だそうです。本来ですと、根から水分を引き上げるので、水は循環するのですが、根が充分に伸びていないので、表皮からの蒸散を防ぎ、乾燥を防ぐのだそうです。何故か時計回りに巻いて…
申し訳ございません。ここでもっと重要な報告事項を失念致しておりました。京都東ロータリークラブから今年度の協力金の授与式が行われたのであります。「皆様方から頂いた貴重な財源です。大切に使わせて頂きます。本当にありがとうございます。」と里山再生の会の代表より、厚い謝辞が述べられました。当日は悪天候の中、また、京都マラソンコース内に位置する吉田山。厳しい交通規制の中、私自身も何度となく道に迷い、Uターンを繰り返し、やっとの思いで到着した次第であります。そういう意味では感慨深い植樹になったものと確信しております。今回もとりとめのない稚拙な報告書となりました。最後迄お付き合い下さいまして、誠にありがとうございます。
京都東ロータリークラブ事務局
〒604-8005京都市中京区姉小路通河原町東入ルABSビル3F
TEL : 075-256-1991
FAX : 075-256-1990
定例会
毎週金曜日 12:30~13:30
会場:ウェスティン都ホテル京都MAP »
