2022年12月17日
青少年奉仕フォーラム報告
青少年奉仕委員会 徳田洋典
本年度の青少年奉仕フォーラムは去る12月17日(土)に同志社大学 服部篤子教授をはじめ同志社ミツバチラボ・服部研究室の皆様にご協力いただき、同志社大学烏丸キャンパス志高館にて「蜜蝋でクリスマスキャンドルを作ろう」と題しまして、体験型ワークショップを一般の参加者を含め、39名のご参加で開催いたしました。
冒頭に今村会長よりロータリークラブがこれまで行ってきた養蜂事業「みつばちプロジェクト」の話を交えてご挨拶をいただいた後、前半は服部教授からご講演、クイズや質疑を行っていただきました。ミツバチの生態や働きバチの一生について、季節ごとにどんな植物から蜜をあつめるのかなど、パネルや札を使って出題され、大人も悩みながら回答する中、昆虫が大好きな小学生が見事に全問正解。参加者の皆さんや服部教授からミツバチ博士と命名され、その後も発表など積極的に参加してくれて、主催側として大変嬉しいことでありました。約40分の講演の後、屋上に養蜂箱の見学へ行きました。当日は天気があまり良くなく、小雨が降る中の見学となりましたので時間を短縮して行いました。教室で子供たちが子供用の保護服に着替えた姿がとても可愛らしく印象に残っております。ミツバチ博士は興味津々の様子で、隈なく屋上養蜂箱を見学していました。
後半は、蜜蝋キャンドル作りや採取した蜂蜜の実食などのワークショップを行いました。今回は蜜蝋シートを使っての作成としました。蜜蝋シートはセイヨウミツバチの巣礎と呼ばれ、巣枠に張って巣箱に入れておくと、ミツバチが蜜や卵を蓄える基礎となるものです。そのシートに作る形をきめて線を引き、ハサミで切り取り、ロウソクの芯を入れて端から巻いてクルクルしていくと蜜蝋キャンドルは出来上がります。リハーサルを終え、短時間で出来るので時間が余ってしまうのではないか、簡単すぎるのではないかと服部教授と懸念しておりましたが、意外と子供達は作業に時間がかかるというか、丁寧に作っていたようで、少し時間ができた出来た子は二つ目を作成していただく程度の時間調整で行えました。もう一種類の蜜蝋キャンドルは、蜜蝋シートを小さくちぎり、鍋にいれ、電気コンロで溶かした蜜蝋を、シリコン製の型枠に流し込み、冷ませて型から外すという製法です。火傷する可能性があったため今回は実演で行うこととし、洋菓子カヌレの型で作成し、参加いただいた子供にお土産としてお渡しいたしました。最後に蜂蜜の実食を行いました。今年採蜜したもの、昨年採蜜したもの、別の場所で採れたもの、と味比べを楽しまれていました。もう一つお土産としてお持ち帰りいただいたキャンドルコースターは、京丹後市で環境保全活動をされている八隅孝治さんが、海洋プラスチックごみやペットボトルキャップをリサイクルして作られたもので、SDGsの観点からも注目されているコースターです。
ミツバチがいるから、野菜や果物など、人間が食べているものが出来るということ、自然環境の大切さ、環境のことについて、少しでも子供たちが考える時間になっていれば幸いです。
また、当初は参加者の皆さんと作った蜜蝋キャンドルを使って、年忘れ例会にてキャンドルサービスをしようと計画しましたが、事業当日はその余裕もなく、また皆さんがせっかく作ったキャンドルをいただきたいと言う勇気もなく、年忘れ例会でのキャンドルは徳田家製になりましたことを付け加え、青少年奉仕フォーラムのご報告とさせていただきます。
2022年11月11日
国際奉仕フォーラム報告
国際奉仕委員長 仲田吉儀
静かな法然院の森で重たい話題を語り合った
今年度の国際奉仕委員会の活動方針は、ミャンマーに対する支援を打ち出しています。これは京都東ロータリークラブの長年の国際奉仕の方向性を踏襲したものです。2021年2月に勃発した国軍によるクーデターによって、今まで通りの支援活動ができない状況でありますし、また人々の関心がウクライナ戦争に向かい、ミャンマーが忘れられそうになっているのが今日の現状と言えます。
一方、京都東ロータリークラブのミャンマーとのかかわりは1967年まで遡ります。五十年以上もの歴史の中で、多くの会員がその時々の支援活動に何らかの形で参画されてこられたわけで、現在の会員各位の中でも現地に行かれた方は多くおられ、会員の皆さんの心の中にミャンマーへの思いが定着していると思っています。
当クラブの支援活動の歴史とミャンマーをとりまく現実を踏まえて、あえて今年度もミャンマーに向き合い支援活動の灯を消したくないとの思いから、私はミャンマーへの支援を活動方針に据えました。
さて、このような活動方針をベースに、今年度の国際奉仕フォーラムは2つのイベントを企画して、これを結び付ける形の趣向を取りました。
写真家の三田崇博さんは、旅フォトグラファーとして世界各地へ赴き、世界遺産を被写体とする作品を多く世に出しておられますが、中でもミャンマーへの思いが熱く、クーデター以降は写真展を行う事がミャンマーへの支援と位置付け、各地で催されています。奥さまはヤンゴン出身のミャンマー人で、三田さんにとっては第二の故郷であるミャンマーについて、当事者目線で現状を俯瞰して創作活動を続けておられます。自称日本一写真展を多く開催している写真家として、各地の専門ギャラリーにとどまらず、人々が行き交う日常的な空間で作品を展示なさっている方です。
今回は梶田真章会員のご協力を得て、法然院の南書院、阿弥陀さまが鎮座する空間で、一週間にわたり「三田崇博写真展」~Pray for Myanmar~を一般向けに企画しました。会期中ゲストブックにご記帳いただいた人数から類推するに、三百人以上の来訪者にご覧いただいたのではないかと思います。
さて国際奉仕フォーラムですが、写真展の最終日にあわせて11月11日の午後四時から法然院で開催しました。ここでは、当クラブの国際奉仕活動をこれからどのようにやってゆけば良いのかをみんなで考えて話し合う場にしたいとの思いで、ゲストスピーカーの山口道孝さん(鎌倉中央ロータリークラブ会員)に基調講演をおねがいし、国際的な紛争、貧困、抑圧、搾取に苦しむ人々への支援活動の現場はいかなるものか、これに携わる人がこの道に身を投じた背景にどんな物語があったのか、といった個人的なお話を通して国際支援の現場に長年携わってきた人の生の声を受け止めたいと考えました。
フォーラムの冒頭、今村会長の挨拶では、京都東ロータリークラブが実施してきたミャンマーへの支援活動の歴史についてお話があり、医療支援として車椅子の寄贈を継続的に行ってきた事、また子供たちへの防災教育の推進のため百葉箱を学校に寄贈した事例、ならびに安全な水を提供するための高架水槽の設置プロジェクトの試みなど具体的な支援内容の紹介がありました。
続いて基調講演の山口道孝さんのお話です。ご自身が大学で建築を専攻されていた1970年代、ベトナム戦争が終わり社会主義体制に移行したインドシナ三国から迫害される恐れのある富裕層やインテリ層が木造船で国を脱出するいわゆるボートピープルが発生。日本への上陸を果たしたボートピープルは一万人超。海上で大型船に救助されて日本へ避難してきた人々の支援にたずさわる山口さんは、彼らが海上で目撃した助からずに海に投げ出された人々の生々しい悲劇の様相を聞き、これでよいのだろうか?と疑問を持ったことが国際人道支援に身を投じる契機であったとのお話でした。
また1980年代初頭、タイのカンボジア難民キャンプでクメール・ルージュ(ポルポト派)の兵士に両親を目の前で惨殺され、心をかたくなに閉ざした少女との出会い。その少女がやがて少しずつ心を開いてゆく姿を話してくださいました。この少女はカンボジアの暗黒時代に発生した無数の犠牲者の一人に過ぎず、けっして他人事では済まされないと思った出来事だそうです。
ご自身、二日前に東チモールでの支援活動から帰国されて休む間もなく京都に来て下さった現役の活動家でいらっしゃる山口さんですが、世界で起こっている見過ごせない問題に関心を持ち、どんな小さなことでもよいからできることを具体的に始めようと力説されました。
苦しむ人たちへの支援活動をやっても戦争はなくならず、支援活動は根本的な解決につながらないのではないかとの批判にどのようにお答えになるのかとの私の質問に対して、山口さんは次のように答えてくれました。
「世界の現実をかたちづくっているのは全世界の一人一人の行動の結果だと思う。一人一人の日常的な行動を世界が良くなる方向に少しだけ変えることがいずれ良い世界に変えてゆくことになると信じたい。」
ご参加いただきましたみなさま、ありがとうございました。
2022年8月26日
クラブ奉仕フォーラム報告
クラブ奉仕委員長 鶴田哲司
去る8月26日の例会終了後、本年度クラブ奉仕フォーラムが会員37名の出席のもと開催されました。本年度のクラブ奉仕フォーラムは、時代が変化し、それに伴い国際ロータリーも変化しようとする中、当京都東ロータリークラブが創立以来守り続けてきた「伝統と格式」を維持しつつも、いかに時代に対応して行くか、を主題として、「伝統と格式と変化」というテーマを掲げ、クラブの将来ビジョンを会員一同が思い描くことを目的に、三人の会員にスピーチをしていただきました。
トップバッターとして、北尾康幸会員には、豊富なメークアップ経験より他クラブから学ぶ点や、外から見た当クラブの課題などをご紹介いただきました。北尾会員は、日本全国のクラブはもとより、海外のクラブにも度々メークアップされておられます。「台湾のクラブは、夜の例会が定例であり、食事でアルコールの提供がある。」「香港のクラブは、時間に非常にルーズであり、厳格な日本のクラブでは想像のできない例会進行ではあるが、来訪のロータリアンに対するホスピタリティー溢れる歓迎ぶりは当クラブも学ぶべきものがある。」とのお話がありました。また、「メークアップで訪問したクラブと、その後も繋がりを持つことで輪が広がっていく。繋がりを持ち、また訪問したいと思ってもらえるようなクラブが本当の意味での良いクラブではないか。」とのご発言もありました。
続いて蜜蝋でクリスマスキャンドルを作ろうからは、地区の規則手続委員会委員長のご経験より、国際ロータリーの手続要覧、定款、細則の変化を具体的にご説明いただき、当クラブ創立時から現在に至るクラブ細則の変化を、国際ロータリーの推奨クラブ細則の変化と照らし合わせて解説いただきました。国際ロータリーの規則の変化は、昨今、世界各国、地区における経済情勢と会員数の増減に起因するものが多く、出席規定の緩和はその代表例ではないか、とのお話がありました。また、地区リーダーシッププラン、クラブリーダーシッププランにより、世界のロータリーを組織化する動きについてもご説明もありましたが、「2016年にクラブ細則に例外規定を設けることが認められたことにより、クラブ独自の魅力を磨き、発展させることが可能となり、例会に出席することで学びがあり、親睦が図れる。そして自己を成長させ、延いてはクラブを活性化させるという日本のロータリーの原点が認められたこと意味し、当クラブにおいても継続して独自性を維持発展させることが重要である。」と説かれました。
最後に、田中誠二会員に、地区ガバナーのご経験より、国際ロータリーの変化と当クラブの将来像について、ご示唆いただきました。2017年に採択された国際ロータリーのビジョン~世界で、地域社会で、そして自分自身の中で、持続可能な良い変化を生むために、人びとが手を取り合って行動する世界を目指す~を引用され、奉仕の活動をいかに実践するかに重点を置く国際ロータリーの方向性について語られました。そして、「国際ロータリーの方向性は、学びと親睦に重きを置き、奉仕の精神を磨いていく、という日本のロータリーの原点との間に隔たりはなく、あくまでもロータリーは、会員一人一人が楽しく学び成長し、職業人としての倫理観を高め、業界に、地域や社会に、リーダーシップを発揮し、貢献していくことを目的としたものである。」とのご説明がありました。続けて、「それを持続させるためには会員の増強は必須であり、会員が参加し易いクラブ運営を行うためには、会員の希望を取り入れるという会員への奉仕、クラブへの奉仕が、ロータリーの強化において重要である。」とも述べられました。
3人の会員のスピーチには、「参加し、楽しく学び成長する。」「連携と独自性を強め、持続させる。」など共通するキーワードが多数ありました。本年度の今村会長のテーマである「心を一つに、ロータリーで元気に、楽しく」に、相応しい有意義なフォーラムになったことを感謝申し上げ、報告とさせていただきます。
2022年5月13日
青少年奉仕委員会事業ご報告
青少年奉仕委員長 松井成樹
5月はロータリークラブの青少年奉仕月間です。今年度は青少年奉仕委員会事業として貧困に苦しむ子供たちに対する援助をしたいと考えました。本業においても、子どもへの支援は日頃、大切にしているテーマの一つです。
貧困の原因は様々です。現在ではコロナ禍もそのうちの一つに当てはまるでしょう。ただ、理由が何であるにせよ、子どもたちにその責任を負わせるわけにはいきません。子供にとって辛いことはお腹が空いているのに、何も食べられないという状況です。温かいものを食べてお腹が満たされており、睡眠がとれていれば多少の困難になら立ち向かう元気が出てきます。
そんなことを考えて子ども達への支援を思いつきました。以前、新聞で「こども食堂」についての記事を読んだことがあり、京都市に勤める友人を頼って担当部署と繋いでいただくことになりました。
烏丸御池にある京都市子どもはぐくみ局に伺い、寄附の申し出と、月間に因んだ卓話のお願いをしました。中川課長をはじめ、係長の梁川様は例会での卓話を快くお引き受けくださいました。お二人は以前、市の伝統産業課や観光局におられて、以前にお仕事をご一緒したことがあることが分かり、打ち解けるのも早く、様々な意見交換をさせていただきました。京都市における子供の貧困の現状を伺い、それに対する行政、民間が一体となった取り組み事例などについてのご説明を伺いました。その中で印象深かったのは、子ども食堂への参加要件に「貧困」を入れてしまうと参加する子どもが減ってしまうので、あえてその要件を外しているということでした。子ども食堂の趣旨には居場所のない子供たちに居場所を提供するということも含まれており、我々が直面する問題は想像している以上に深いものがあるということを思い知らされました。
5月13日例会の卓話では京都市における子供の貧困の現状と、それに対する様々な取り組み、課題をお話しいただきました。卓話当日から各こども食堂へ寄附が始まり、運営の皆様からのお礼のメールも多数届いています。美味しそうなカレーを食べている子供たちの笑顔を見ると、東ロータリークラブでの奉仕活動が地域に広がったという実感が湧いてきました。
この取組は小さな1歩かもしれませんが、意義深いものだと感じています。ロータリークラブでの経験を経て、貴重なご縁をいただくことが出来ましたので、クラブのみならず、本業でも子供たちへの支援を続けてまいりたいと考えています。
2022年2月20日
社会奉仕フォーラム「ベンチ寄贈式典」ご報告
社会奉仕委員長 室 公博
吉田山は古くより桜と松の景勝地として京都市民に親しまれてきました。しかし日本の近代化や日本人のライフスタイルの変化により、次第に里山に人の手が入らなくなり、いつしか雑木が生い茂る荒れ果てた姿となりました。
2008年、京都東ロータリークラブ(当時、鈴鹿会長、福井社会奉仕委員長)が主導のもと、吉田山の環境保全を目的とした「吉田山の里山を再生する会」が結成され、地域住民、京都大学、ボーイスカウト、吉田神社の講社、京都薪ストーブ友の会などの団体、そしてロータリークラブが協力して、桜やもみじの植樹、雑木の伐採、清掃活動を定期的に行ってまいりました。
地道な活動の成果もあって、吉田山の環境は年々良くなっております。雑木の伐採のお陰で京都市内の眺めも良くなり、都市の中にある身近な自然として、春には桜を、秋には美しい紅葉を楽しむことができるようになりました。
そんな吉田山に、ゆっくりと自然を楽しんでいただくための「休憩用のベンチ」を設置し寄贈することで、市民が集う憩いの場所へと更なる進化をはかるとともに、市民に広く吉田山の里山再生活動に関心を抱いていただこうと考えました。ロータリーの地区補助金も活用して、吉田山公園にベンチ2台を寄贈することになり、計画が進みました。
ベンチは、再生木材を利用して作られた環境にやさしいエコマーク認定製品を採用いたしました。また正面には寄贈者のネームプレートを付け、「京都東ロータリークラブ」とともに「吉田山の里山を再生する会」のお名前も入れました。
2月20日(日)、社会奉仕フォーラムとして「ベンチ寄贈式典」、「桜の植樹会」を、吉田山の里山を再生する会のご協力のもと開催いたしました。心配されたお天気も無事に晴れ渡り、再生する会、吉田神社さん、近隣住民、ロータリー会員とご家族など総勢60名ほどの皆さんにご参加いただき、来賓として京都市長の門川様、左京区長の古瀬様にも駆けつけていただきました。式典の中ではテープカットセレモニーも執り行い、華やかで笑顔あふれる式典となりました。
式典の後、参加者で桜の苗木10本を植樹し、皆さんいい汗をかいておられました。
当日の模様は翌朝の京都新聞にも掲載され、ロータリーの活動の広報にもなりました。ご参加ご協力いただきました皆様、本当にありがとうございました。
京都東ロータリークラブ事務局
〒604-8005京都市中京区姉小路通河原町東入ルABSビル3F
TEL : 075-256-1991
FAX : 075-256-1990
定例会
毎週金曜日 12:30~13:30
会場:ウェスティン都ホテル京都MAP »
