テーマ「えん」京都東ロータリークラブ 会長 湊小太郎

2024年7月から2025年6月までの1年間、京都東ロータリークラブの会長を拝命いたしました。

会長挨拶といえば、クラブの目的や活動内容を説明し、魅力を伝え、参加を呼びかけ、感謝の言葉で終わるとフォーマットが決まっていて、読む気が失せることが多いですが、このご挨拶もご多分に漏れず、まずは建前から申し上げます。

ロータリークラブは、職業奉仕を基盤として、そこから広がる社会奉仕や国際親善と、会員相互の信頼と親睦を深めることを目的としています。京都東ロータリークラブは1956年5月に京都ロータリークラブをスポンサークラブとして創立され、今年度は69年目を迎えます。現在は大学や寺社あるいは祇園など多様な伝統文化にいろどられた京都市東山周辺地域を基盤に、39歳から92歳の多岐にわたる職業の会員80名あまりで活動しています。例会は毎週金曜日にウエスティン都ホテル京都で開催されます。

ロータリークラブは一般にはいわゆる経営者の方々が社会奉仕を目的に集まったクラブであると理解されていますが、内側から見ると少し違った景色になります。私事ながら、私は生まれも育ちも京都で、人生の大半を大学に勤務することで過ごしてきました。本来はおよそロータリークラブとは無縁の世界に居りましたが、退職後先達のお導きで縁(えん)あって京都東ロータリークラブに入会しました。70年あまりも京都で暮らしていたにもかかわらず、ほぼ教員としての世界に閉じこもっていましたので、いわゆる京都の町衆が何百年にもわたってどのようにこの京都を維持発展させていたか、全く知らないままに過ごしていました。京都東ロータリークラブの会員にはいろいろな分野の商売に加えて、祇園や茶道、能などの伝統文化を担っている方、僧侶、宮司、医師、弁護士の皆様など専門職の方々も多く、卓話などでお話をうかがい、奉仕活動で一緒に汗をかくことで絆を築き、節目節目の懇親会や家族旅行で親睦を深めるうちに、創業100年でやっと一人前と認められる京都の地域産業が如何に運営されてきたか、どのような生業で浮き沈みの時代を乗り越えてきたかが窺い知れ、なにか少し得したような賢くなったような気がしています。

さて、3年間にわたって猛威を振るった新型コロナウイルス感染症も5類感染症へ移行となり、幸いに徐々に従来の日常が戻りつつあります。今年度の会長テーマは「えん」といたしました。何より自然体でロータリーを楽しみつつ、69年の長きにわたり築き上げられた京都東ロータリークラブの伝統に恥じないように、「えん」で結ばれた会員の誇りをつなげ、奉仕と親睦を大切に活動したいと考えています。教育、宗教、文化関連分野の会員が多いのもわれわれのクラブの特長で、ビジネス分野以外の方も居心地のよいクラブです。京都をより深く理解したいとお考えの方、是非一度ご入会をご検討ください。

ここまでお読みいただきありがとうございました。ご挨拶にもなっていませんが、この1年、皆様の温かいご理解とご支援をお願い申し上げます。