令和5年11月17日に会員46名の出席のもと例会修了後に国際奉仕フォーラムを稔りの間において開催しました。「ウクライナの現状とウクライナ人避難者に対する支援(ウクライナ・キーウ(キエフ)京都市民ぐるみ受入支援ネットワークを中心に」と題し、講師として公益財団法人京都市国際交流協会から事業課 シガル・オレーナさんとウクライナ・キーウ(キエフ)京都市民ぐるみ受入支援ネットワーク受入支援担当者 渡邊真莉奈さんのお二人にご講演頂きました。
2022年2月24日にロシアがウクライナへ軍事侵攻して1年9カ月経ちますが、多くの死傷者や文化施設、文化遺産も破壊されて甚大な被害が出ており、終息の兆しはまだ見えないのが現状です。京都市とウクライナの首都キーウは姉妹都市提携を結んでおり、京都でどのようなウクライナ支援をしているかを中心にフォーラムでお話をして頂きました。
フォーラムの開催に先立ち、中村幸男会長より挨拶があり、混迷する国際情勢の中で中東情勢を受けてウクライナに対する国際社会の関心が低下しているのではないかとの危機感を示され、今回のフォーラムではロータリーとして今後どのような人道支援ができるかを考える良い機会にしたいとのお話がありました。
シガル・オレーナさんはキーウ出身のウクライナ人で2000年にJETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)の参加者として来日されました。京都府国際センターでウクライナの文化・言語を紹介し、2013年に京都大学大学院・人間環境研究科博士後期課程を修了後、現在の京都市国際交流協会職員になられてロシアのウクライナ侵攻後、ウクライナ人避難者の受入支援事業に関わっておられます。
渡邊真莉奈さんは2020年京都市行財政局元離宮二条城事務所、2022年から京都市国際交流協会にてウクライナ人避難者の受入支援事業に関する事務を担当されています。
ウクライナは第2232地区にあたり、国内に62のロータリークラブと6つのロータリーサテライトクラブ(会員数約1,100人)、24のローターアクトクラブ(会員数300人以上)が活動しています。ウクライナでのロータリークラブの情報、支援については下記をご確認ください(当クラブWEBサイトの奉仕活動報告にても記載)。
ロータリークラブウクライナ(ページ)
https://www.rotary.org.ua/template/Eng/
地図で見るウクライナロータリーの所在地と連絡先
https://www.rotary.org.ua/template/Eng/map.php
ウクライナのロータリークラブのページ(Facebook)
https://www.facebook.com/rotaryeclubukraine/
ウクライナのロータリークラブのページ(インスタグラム)
https://www.instagram.com/rotary.ukraine/
ウクライナへのウクライナ国内・海外のロータリークラブによる支援
https://www.rotary.org/en/rotarys-network-enables-rapid-humanitarian-relief-ukrainian-refugees
ロータリークラブによる支援について(英語)
https://www.rotary.org/en/rotary-responds-ukraine-crisis
ウクライナと京都とは関係が深いため日本文化に興味を持つ市民が多く、ウクライナでの日本と関係する建物(現在無事かは不明)や文化などが紹介されました。ウクライナ国内の情勢は戦時下の中で総動員令が施行され、成人男性が徴兵対象になるため出国を認められていない事やロシアから何時ミサイル攻撃を受けるかわからず、市民は今も不安を抱えて生活しているとのことです。
京都市の支援の取り組みとして令和4年3月に「ウクライナ・キーウ京都市民ぐるみ受入支援ネットワーク」を発足させ、ウクライナから京都に避難された人を受け入れて支援を行ない,幅広い企業,団体、市民の理解と協力のもと,連携した取組みを進めるためのネットワーク組織が立ち上げられました。このネットワークにおいては寄付金を募り、ウクライナにおける住宅修繕や支援物資として防寒対策等の物資の支援や「ウクライナ・キエフ受入支援ワンストップ窓口」を設置して京都市での住居や物資・サービスの提供,受入れのための寄付金,就労支援、通訳翻訳ボランティアを募り,避難された方への支援に確実につなげる取組が進められています、現時点での京都市でのウクライナ避難民は69件(77名、4家族)受け入れています。民間企業からの支援としてスマートフォンの無償提供、生活物資の提供、空港からの無償送迎などが紹介されました。避難民には定期演奏会の招待やウクライナ出身の力士との交流など京都市交流会館においての音楽フェスティバルなどのイベントなどにも招待されています。
しかし、ウクライナ避難民への生活支援一時金の支給が1回のみであるため、国内で仕事を見つけなければならず、日本語ができない人が多いために仕事が簡単に見つけるのが難しいのが現状のようです。戦争の長期化に伴い、相談内容も多様化しているために継続して国からの支援が必要であり、今後の課題としてウクライナ避難民の交流会やコミュニティ作りの支援や就労、日本語学習などの支援が必要で幅広い中長期的な支援を呼び掛けられていました。今回のフォーラムでウクライナ問題についての知識を深めて、今後ロータリーアンとしてどのような支援ができるかを考え、早くウクライナの戦争が終結することを願うばかりです。